
こんにちはサイクルメカニックの石橋です。
景色が良い場所や観光名所を自転車で行ってみたいと思ったことはありませんか?けどそのような場所は自宅から遠いことも多く、実行に移すことは非常に難しかったりします。
しかし、輪行という方法をとれば遠い場所にもアクセスしやすくなり、サイクリングがより楽しくなるんです。
輪行とは
輪行とは、自転車を目的地まで手荷物として運ぶ方法のひとつです。主に列車を使って自転車を運び、目的地でサイクリングを楽しみたいときに利用されます。
列車やバスを使って目的地まで輪行をするときは、基本的に自転車をパッキングする必要があります。そのパッキングするためのアイテムに輪行袋というものがあります。
輪行袋の使用例を簡単に説明すると、
自宅から最寄りの駅まで、自転車に乗って向かう
↓
駅前で輪行袋にパッキングをして、列車に乗る
↓
降りる駅に到着し、改札を出たら輪行袋から自転車を取り出す
↓
目的地へ向けてサイクリングのはじまり
以上のように輪行袋を使用することで、目的地までのアクセスの長さを短縮することができ、日帰りで行けなかったところも行けるようになるのです。
輪行袋はパッキング方法で選ぶ
輪行袋はナイロン素材でできているものが多く、自転車が1台収納できる大きさです。収納方法は主に2通りあり、前輪を外して輪行バッグに入れる方法と、前後輪ともに外し、よりコンパクトな状態で輪行袋に入れる方法です。※輪行袋を購入する際はどちらのタイプか確認が必要です。
前輪外し用は初めての人や自転車の構造に詳しくない人でも扱いやすいことが特徴です。前輪を外し、ハンドルを横に90度くらい回せば、あとは袋に入れるだけなので、慣れると一番楽な輪行袋です。
欠点を挙げると、袋に入れたときのサイズ感が大きくなってしまうことです。前輪を外すだけなので、自転車の全長より若干短くなるくらいでコンパクトさはありません。
一方、前後輪外し用は、頻繁に輪行をする人や自転車の構造に詳しい人におすすめです。何よりも前後輪を外すことでコンパクトになるので、列車が混んでいたときにほかの乗客に迷惑が掛かることも少ないと言えます。
輪行バッグ自体の大きさも小さくできるので、走っているときも荷物になりにくいのです。
おすすめの輪行袋と便利アイテム
これから輪行デビューするため輪行袋の購入を検討している人におすすめのアイテムをご紹介します。
OSTRICH(オーストリッチ) ロード520
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輪行バッグの定番メーカーのオーストリッチ。このロード520は輪行袋としては生地が厚いのが特徴でハードな使用にも耐えることができます。
また、この輪行袋は両輪を外して収納する形ですが初心者の方でも迷わない用、袋の内部にサドルやハンドルの位置がイラスト付きで描かれているので収納方向を間違えずに袋の中に自転車を収納できます。
さらにホイールを入れる専用のポケットも付属しており、ホイールが自転車のフレームと当たって傷になるのを防ぐことができます。
リンプロジェクト (rinproject) 輪行バッグ
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東京・浅草でカジュアルなサイクルウェアを展開するリンプロジェクトの輪行袋です。一番の特徴はこの明るいカラーです。色の組み合わせもいくつかあり気に入ったものを選ぶことができます。
生地は比較的厚めで、コンパクトにはなりませんが、横からの衝撃に対して大事な自転車を守ってくれる安心感があります。
OSTRICH(オーストリッチ) SL-100 輪行袋
来月輪行ライドの予定が立ったので、とりあえずFOILをオーストリッチSL100でくるんでみた。
直立はするけど不安しかない。 pic.twitter.com/ilvADbNsc0— みやびあきら (@miyabiakira_) 2016年11月27日
(参考画像)
(LINK:Amazon商品ページ)
オーストリッチ史上最軽量輪行袋がSL-100です。前後輪を外して収納するタイプで、生地が薄いことも相まって非常にコンパクトになります。ロードバイク、クロスバイクの利用に最適です。
SL-100は、後輪を外し、車体を縦型に入れることで、荷物として非常に小さく見え、列車内でもほかの乗客の邪魔になりにくいです。
TIOGA(タイオガ) 29er
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29インチ、650Bホイールを使用するMTB用に開発されたコクーン29erです。前輪を外し、ハンドルをひねるだけで大きな29インチMTBが輪行できてしまいます。
※電車内では非常に幅を取ってしまうので、複数人で一緒に使用するのは控えましょう。
OSTRICH(オーストリッチ) ちび輪バッグ
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オーストリッチからミニベロ専用の輪行袋がちび輪バッグです。前輪のみを外すだけなので、初めての方でも安心して使うことができます。
ここで心配なのは輪行袋は、車輪を外して移動するので、袋の中で部品同士が接触し自転車が傷つくことだと思います。そんな心配を和らげてくれる輪行関連アイテムもあるんです。
TOGA(タイオガ) フォーク ホルダー
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前輪を外した時に、フロントフォークに差し込むホルダーです。これを使用することで、前輪をはめる部分を傷や衝撃から守ります。
オーストリッチ(オーストリッチ) エンド金具 ロード用
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こちらは後輪を外した部分にはめるホルダーです。後輪はリアディレイラーもあり、輪行中の破損を防ぐためのアイテムです。
マルト(MARUTO) チェーンカバー RS-C750
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輪行袋に入れる過程で手順が増えてしまいますが、袋の中の自転車をしっかり守りたい人には、フロントギア、チェーン、スプロケットをすべて覆い隠して傷から守るこちらのアイテムをおすすめします。
※輪行関連アイテムは、輪行袋にセットで付いてくるものもありますが、基本的に別売りの場合が多いです。購入する際は輪行バッグの付属品をしっかり確認する必要があるでしょう。
輪行袋の使い方(オーストリッチ ロード520輪行袋の場合)
では具体的に、輪行袋の使い方をおすすめの輪行袋でも取り上げたオーストリッチのロード520輪行袋でご紹介します。
1.車体を上下逆さまにする
車体を逆さまにする前に、ハンドル部分に取り付けているライトやサイクルコンピューターは取り外しておきましょう。
2.前後輪を外し、エンド金具を装着する
リアのエンド金具はチェーンが暴れないように、チェーンを引っかけて取り付けます。また、ロード520輪行袋は、購入時に前後のエンド金具が付属してきます。
3.チェーンカバーを取り付ける
4.サドルとリアエンド金具が真下に来るように車体を立てる
前後輪の金具とチェーンカバーの装着が終わったら、サドルとリアエンド金具が真下に来るように、車体を90度に立てます。こうすると車体が安定します。その際、ハンドルは右に切っておきます。
5.輪行袋のファスナーを全開にして、収納する位置を確認する。
オーストリッチの輪行バッグはサドルとリアエンド部分を置く場所がわかりやすく記されています。
6.サドル位置、リアエンド位置に合わせ、サイドのポケットに前後輪を収納する
サドル位置、リアエンド位置が表示されているところに、先程立てた車体を乗せます。そのご両サイドにホイールを収納する大きなポケットがあるので、両輪を入れていきます。
ロード520輪行袋は中の自転車を守るためにホイールとフレームを別に収納できます。これにより輪行袋内で部品同士が傷つくことを防ぐ効果があります。
7.ストラップをBB部分とハンドルに巻き付ける
付属するストラップをBB周りに引っ掛けて、もう一方をハンドルに巻き付けます。
8.完成
輪行をする上でルールとマナーを知る
実は鉄道各社は、輪行するユーザーに向けて明確な規定を設けています。以下はJR東日本の車内に持ち込める荷物規定に関しての一部です。
持ち込める荷物 (携帯できる荷物で、タテ・ヨコ・高さの合計が250センチ(長さは2メ-トルまで)以内、重さが30キロ以内のものを2個まで持ち込むことができる。
サイクリングやスポーツ大会などに使用する自転車は、解体して専用の袋に収納したもの、または折たたみ式自転車で折りたたんで専用の袋に収納しなくてはならない。
スポーツ用品、楽器、娯楽用品などは、長さの制限を超える場合であっても、車内で立てて携帯できるものは持ち込むことができる
とあります。
以上を確認すると、「専用の袋」という記載がありますので、自転車には輪行バッグが必須ということがわかります。ごく稀にビニール袋やごみ袋を繋ぎ合わせて、即席で輪行袋を作っている人を見かけますが、これは違反となります。
また、輪行袋に自転車を詰めていても、袋が開いて中が見えていたり、袋にしっかりと入りきっていない場合は当たり前ですが列車に持ち込むことはできません。列車の時間がないことを理由に中途半端に輪行バッグに詰めるのはやめましょう。
輪行に関する規定を守っていても、もう一つ大事なのが列車内や駅構内でのマナーです。満員電車の中で段ボールなどの大きな荷物を持った人に遭遇して、迷惑に思ったことはありませんか?
輪行も同じで、ほかの乗客にしてみれば大きな荷物として認識されてしまいます。ですから混みあった車内では輪行袋を極力持ち込まないことが大事です。車内マナーを考えながら輪行を楽しまなければいけません。
何台もの輪行バッグでホームを独占するのもいけません。最悪、他の乗客に接触してけがをさせてしまう可能性もあります。
以下、快適に輪行するために私が実践してることです。
ラッシュ時に輪行はしない
先頭車両か後方車両のどちらかに持ち込む
3人以上で輪行するときは、前と後ろに分かれて乗車する
さらに人数が多いときはグループごとに乗車する列車を変える
以上のような工夫をしながら輪行を楽しんでいます。ルールとマナーを守った上で輪行を楽しみましょう。
まとめ
今回は輪行の仕方とこれから輪行バッグの購入を検討している人へおすすめの輪行袋をご紹介してきました。
まずは輪行を体験してみようというひとには前輪を外す輪行バッグをおすすめします。輪行袋にパッキングするの慣れ、頻繁に輪行を楽しむようになったら、前後輪を外してコンパクトになる輪行バッグを新調しても良いと思います。
自転車の楽しみ方はたくさんあります。輪行もその一つで、今まで輪行したことが無かった人はぜひ一度経験してみてはいかがでしょうか。
メカニックが教える輪行袋の使い方、おすすめのモデルとは is a post from: FRAME : フレイム