
以前洗車の記事を書き上げましたが、チェーンに差すオイルのことについては軽く触れた程度でした。
元自転車屋が教える!軽快に走るための自転車チェーンの注油方法
チェーンオイルを買いにショップへ行くと、ケミカル用品の棚に所狭しと様々なオイルが陳列されています。
「チェーンを潤滑させる」という点については一致しているのですが、得意・不得意なシチュエーションは製品ごとに様々です。
今回はチェーンオイルの分類と、代表的な製品について紹介していきます。
万能系
種類ごとに紹介といいつつ、いきなりこの紹介から始めてしまいますが、「これ1本あればとりあえず大丈夫」という製品です。
晴天・雨天どちらでも利用でき、かつ持続性もそこそこ長い製品です。
WAKO’S “チェーンルブ”
(出典:WAKO’S)
ド直球なネーミング。あまり見ない特徴として「水置換性」を持っています。
雨の後や、洗車の後にチェーンに水分が残っていても水を追い出してくれるので、濡れたまま注油がすることができます。
最近、弱虫ペダルとのコラボでも話題になりました。
モーガンブルー “Race oil”
(出典:Zeta Trading)
多くのプロチームで利用されている「Morgan Blue」というブランドのスタンダードなオイルです。
晴天雨天兼用。スタンダードな製品はあまり書くことがありません…
ドライ系
晴天を前提として開発されていますが、一応雨天でも利用可能です。
雨の中走った後は再注油が推奨されるタイプとなります。
メリットとして、「油の飛び散らなさ」「汚れにくさ」が挙げられます。
バイク・チェーンの見た目を気にしており、雨の日は乗らない人におすすめです。
FINISH LINE “Dry bike Lubericant”
(出典:FINISH LINE)
通称「フィニッシュラインの赤」殆どのショップに置いてあるので、勧められた方も多いのでは?
汚れにくさは、後述する「ウェット系」に比べると汚れにくいといった程度なので、あまり期待するのは良くないかもしれません。
KURE “チェーンルブ ドライ”
(出典:呉工業)
「呉556」や自動車向けのケミカル用品で有名なブランドですが、自転車用オイルも販売しています。
WAKO’Sのチェーンルブと同じく、水置換性を持っています。車関係の技術力を転用しているだけあって、性能は折り紙つきです。
ウェット系
雨天走行・潤滑性能の維持を重視したタイプです。粘度が高くなっている分、汚れを呼びやすくなっています。
FINISH LINE “WET bike Lubericant”
(出典:FINISH LINE)
通称「フィニッシュラインの緑」
すぐ汚れてしまいますが、潤滑性能の維持に関しては確かです。
MTBやシクロクロスなどのオフロードを走る際に、ドライオイルでは砂埃でオイルを吸われてしまい、潤滑されなくなってしまいますが、このオイルならそんなことは起こりません。
モーガンブルー ”SYN LUBE”
(出典:Zeta Trading)
並大抵のことではレース中止にならないプロでの利用を想定しているだけあり、かなりの豪雨でもチェーンに油分を維持できるそうです。
自転車通勤をしている人におすすめ!
ワックス系
チェーンの汚れを呼ばないことを主眼に置いたオイルです。
表面及び内部に薄いコーティングを行い、液体成分は揮発させるため、雨に弱く晴天でも維持力は短くなっています。
FINISH LINE “Ceramic WAX chain Lube”
(出典:FINISH LINE)
使っている人が少ないからか、FINISHLINE製品には珍しくアダ名なし。
極小セラミック粒子をチェーンに付着させることで、潤滑と綺麗さを両立しています。粉末なので雨にはとても弱いです…
PEDROS “アイスワックス2.0”
(出典:PEDROS)
蜜蝋と原料とした珍しいオイルです。チェーンの表面に皮膜を作り、汚れがすぐ落ちるそうです。
特殊系
一癖も二癖もある特化型。
innotech “SIL105”
(出典:トライスポーツ)
知る限り、最もチェーンが綺麗に保たれるオイルです。そして、過去最高に施工が面倒なオイルでもあります。
皮膜を作る点ではアイスワックスと同様ですが、オイルを塗布する前にチェーンを完全に脱脂する必要があり、注油後は乾燥が1日~2日ほど必要というクセモノです。
あまりに面倒かつ難易度が高いのでメーカーで塗布した後のチェーンを売っているほど。しかし、皮膜がなくなる寸前になっても他のオイルの一日目程度までしか汚れません。
ヴィプロス “MUON”
(出典:VIPROS)
抵抗の低さを極限まで追求したオイルです。その名の通り、チェーン音が無音になるとか…
水置換性や潤滑の維持性能も高く、容量あたりの価格も高い。
モーガンブルー Extra Dry Lube
(出典:Zeta Trading)
オフロード特化のオイルです。
トルクのかかる場面に対応したチェーンの潤滑はしなければなりませんが、ウェットタイプだと泥や砂を拾ってしまうという点を解決した「綺麗で粘度の高いオイル」です。
その代わり、200km~300kmしか持ちませんのでロードバイクだと注油頻度が高くなってしまう欠点があります。
今回の紹介は以上で終了です。
まだまだ沢山のチェーンオイルが世の中には存在しているので、自分の走りに最も合うものが見つけられればいいですね。
(TOP画像出典:PEDROS)
違いの無いようでちょっと違う。チェーンルブの解説 is a post from: FRAME : フレイム