
ロードバイクに乗る際、サングラス(アイウェア)はしていますか?「ただの恰好つけじゃないの?」そう思っている人もいるかもしれません。
ことサイクリングにおいて、サングラスはまぶしさの軽減だけでなく、眼を守る重要な役割があります。とはいえ普段メガネをしない人には違和感もあるでしょうし、長時間の着用で小鼻やこめかみが痛くなることも…。それも正しい使い方と自分に合っているものを選ぶ事で改善可能!サイクリングに最適なサングラスの選び方、教えます。
サングラスの必要性

サングラスは非常に重要なものです。
一番大事な役割は、路面に落ちている塵や埃、あるいは小石や砂の跳ね返りから眼を守ること。スポーツバイクの速度は時速25km前後、下りなどでは40km以上ものスピードが出ます。その速度で、タイヤが踏んだ路面からの跳ね返りが万が一目を直撃したら……。角膜に傷がつくなど、怪我に直結します。こういった衝撃から眼を守る大切なアイテムがサングラスなのです。
そのほかにも視界の確保はもちろん、紫外線や乾燥から目を保護してくれる役割があります。
視界の向上は思わぬ事故を防ぐことにもつながります。自分だけでなく、他人に危害を加えないためにも、サングラスは積極的にかけていただきたいアクセサリーです。
普通のサングラスで代用できるか?

単にUVカット効果のある通常のサングラスとロードバイク用のサングラスはつくりが違います。ロードバイク用のサングラスは顔にぴったりフィットして、風の巻き込みによる目の乾燥を防いだり、走行中に虫やほこりが目に入ったりしないようになっています。
ロードバイクで使用する場合は、専用のアイウェアがおすすめです。
コンタクトやメガネを使っている人は?

普段からコンタクトを使用しているなら、「コンタクト+ロードバイク用アイウェア」が一番手軽です。
裸眼では歩くのも難しいような視力だと、度付きのサングラスなどでは”かたときもサングラス外せない問題”が出てきます。
ロングライドやレースを考えるとコンタクトがおすすめです。
極端なドライアイでコンタクトをつけたくない、メガネのままなんとかしたいという人のために、3つの選択肢をご提案します。
- アイウェアのレンズを度付きにする
- アイウェア+インナーフレームの度付メガネの組合せ
- シールド付のヘルメット+自前メガネ
それぞれ特徴がありますし、用途や視力によっても選択肢が限られるので、迷った時はスポーツサングラスを取り扱う専門店に相談してみましょう。
1)アイウェアのレンズを度付きにする
レンズを加工するため、通常のアイウェアより価格は高くなりますが、自分にフィットした度付きのアイウェアをオーダーすることができます。度付きにするには2眼タイプのアイウェアが多いです。専門店で自分の視力や用途に合わせてフレームやレンズのカラーなどを相談しながら選ぶことができます。
▲Oakley Flak 2.0。度付き対応のサングラスでも、対応する度数に制限があるので注意が必要
2)アイウェア+インナーフレームの度付メガネの組合せ
外側にアイウェア、内側に度入りのレンズを組み合わせて装着する方法です。レンズを直接加工するよりも価格は安く、視力が変わってもレンズ交換すれば使用が可能です。ただしレンズの内側が曇ったり、重量が重くなるデメリットも。
▲ダンロップ DU-006。フレームの内側に度付レンズを装着する
▲インナーレンズ形状をカスタマイズできる「RUDY PROJECT インパルス フリップアップ」
3)シールド付のヘルメット+自前メガネ
これからヘルメットの購入を考えている方や、買い替えを予定している方には、最近人気のエアロ形状のヘルメットにシールドを付けて自前のメガネで走るという方法もあります。
度付きのアイウェアを購入するよりは安いので、用途とヘルメットのサイズが合うなら選択肢に入れてもよいでしょう。シールドは別売りですが色の変更が可能です。
購入の際には、自分のメガネとシールドが干渉しないかチェックすることも必要です。
▲オージーケーカブト AERO-R1 パールホワイトレッド。紫外線カット率99%以上のライトスモークのシールドを標準装備
レンズカラーは色によって効果が違う
サングラスのレンズは各社から様々なカラーが発売されていますが、それぞれの用途に合った色を選ぶことで最も効果的にその効力を発揮できます。
カラーレンズの場合、外側から想像する見え方と実際にレンズを通してみる見え方が意外と違うことがあるので、選ぶ場合はぜひ実際に試してみることをおすすめします。
- クリア
画像出典:OAKLEY
裸眼に最も近いカラーですので違和感なく装着することができます。
夜間でも使用できるので、ナイトトレーニングには最適ですね。 - オレンジ
画像出典:OAKLEY
視界情報の濃度(コントラスト)を上げて物体の境目をはっきりさせる役割があります。
街中で最も効力を発揮し、ゴチャゴチャとした空間でもシャープな視界を確保して危険を事前に察知できるでしょう。 - ピンク
画像出典:OAKLEY
オレンジと同様にコントラストを上げる効果があります。
防眩効果は控えめなので、夕方での走行に適しているでしょう。 - セピア
画像出典:OAKLEY
太陽光の眩しい光を抑え、裸眼と同じような自然な色調へ近い視界を確保することができます。
クリアレンズと同じく眼への負担が少ないため、長時間の使用でも問題はありません。 - ブルー
画像出典:OAKLEY
防眩効果に優れています。
自動車のヘッドライトのような瞬間的な強い光に対しても大きな効力を発揮するので、夜間でのナイトトレーニングや照り返しのキツい夏場のライドには最高でしょう。 - ミラー
画像出典:OAKLEY
非常に強い光源がある場合に大きな効果を発揮します。
また、他の単色系レンズに比べて表情が悟られにくいので、より走りに集中できるというメリットも。 - 調光レンズ
画像出典:OAKLEY
調光レンズは紫外線の量によって色が変わる全く新しいレンズです。
それまでその日の天気や場所によってレンズを付け替えていた手間をなくし、自動的に自らがおける状況下へ最も適した色彩に変化するので多くのサイクリストやスポーツ選手に愛されています。
ただし、使用していないときは紫外線を当てないよう付属ケースに入れて保管するなど取扱いに注意が必要です。また、調光レンズは2~3年程度と寿命が短く、だんだん色が変化しにくくなります。
おすすめサングラス
スポーツサングラスを購入する方法はいくつかありますが、失敗したくないのであれば直接直営店でプロに選んでもらうのが確実です。自分の使用用途と予算をしっかり伝えて購入しましょう。
ここではサングラス選びの参考になるように、おすすめモデルを厳選して紹介します。
定番アイウェアの限定モデル ― OAKLEY “ジョーブレーカー”
限定 OAKLEY オークリー JAWBREAKER ジョーブレーカー TOUR DE FRANCE 2018 EDITION ツール ド フランスOO9290-3531 サングラス
数々のプロチームのサポートをしている人気メーカー、OAKLEY(オークリー)の人気モデルです。RACING JACKETのようにフレーム全体でレンズを多い、Raderのように視界がワイドな一眼性のアイウェアとして開発されました。ステムの長さやノーズピースの使い分けでフィット感の調整もしやすくなっています。
スピードプレイにも対応し、高い速度での走行中でもその視界はOAKLEY自慢のHDO®技術で寸分もボヤける事なくクリアな情報量を提供することが可能です。Prizmレンズの採用で、コントラストを強調することにより、路面の状況などを素早く把握することができます。
レンズ交換もスイッチロックレンズ交換システムを採用し、レンズを接触をできるだけ抑えて交換することができます。
(参考価格:22,800円)
日本人の骨格へフィット ― フラック2.0 プリズムロード
オークリー スポーツサングラス OAKLEY FLAK 2.0 PRIZM ROAD フラック2.0 プリズムロード OO9271-21 メンズ レディース アジアンフィット 国内正規商品
いくら性能が良いレンズでも、そのフレームがしっかり顔に沿ってフィットしてくれなければ本来の力を発揮する事はできません。
そこでOAKLEYが造りだしたのは日本人を含めたアジア人の骨格へフィットするフレーム。年々ロードバイクの需要が高まっているアジアですが、どうしても骨格上欧米人と合致しない場合が多々あります。
このROAD FLAK 2.0 (ASIA FIT)はアジア系の骨格を徹底分析し、完璧にフィットするものとして誕生しました。
その快適な付け心地はあなたのライディングをより楽しいものへと変えてくれるでしょう。
(参考価格:27,000円)
汚れから眼を守る-EVIL EYE HALFRIM PRO
adidas(アディダス) サングラス アイウェア 調光レンズ evil eye halfrim pro a181 01 6091 マットブラックグロウ L
adidasから発売されたこのEVIL EYE HALFRIM PROは、塵や埃など汚れに強い事が挙げられます。
大きな視野を確保しながら顔にフィットする形状で多少の振動ではびくともしません。額から垂れてきた汗が眼に入るのを防ぐスウェットパッドが付いているのも嬉しい点ですね。
(参考価格:20,000円)
安価な度付きサングラスを手に入れるダンロップ - DU-006
「度付きのサングラスは何万円もするからなかなか手が出せない」とお悩みの方。私もその一人でした。
今まではコンタクトの上にサングラスをしていましたが、走行後にはカピカピに乾いてしまって痛いのなんの……。
しかしそんな苦労とはここでおさらばです。DUNLOP(ダンロップ)から発売されたDU-006は非常に安価ながらも確かな性能と耐久性を持ち合わせています。インナーに装着された度付きメガネと外側のレンズという2重構造ですが、その視界は驚くほどクリア。付け心地も悪くなく、素晴らしいフィット感を演出してくれます。
(参考価格:18,000円)
デザイン性の高いおしゃれサングラス - POC “DO HALF BLADE”
(ポック) POC DO HALF Blade AVIP Hydrogen White/Zink Orange
丸みのあるコロンとした独特のデザインが目を引くPOC。スウェーデンのブランドで、スキー用ゴーグル開発の経験と技術が利用されています。
DO HALF BLADEはロードサイクリング用に開発されたハーフリムのモデルです。フレームは軽量で耐久性を追求されており、コンディションに応じてレンズ変更が可能です。レンズはCarl Zeiss社製の球面レンズが採用。フレーム下部をなくし、歪みがなくクリアな視界を楽しめます。
日本限定フォトニック ファイアレッドフレーム ― Rudy Project
RUDY PROJECT(ルディプロジェクト) スポーツサングラス マラソン ロードバイク ウィンタースポーツ 度付対応 フォトニック ファイアレッド/マルチレーザーオレンジ ホワイトバンパー SP453845-00S2
新しく発売された「フォトニック」というシリーズでは、バンパーというレンズ下部のフレームが搭載され、落車やその他の衝撃から顔を守ります。
バンパーのカラーを変えることで印象を大きく変えることが可能。テンプル裏側にはエア・チャネルが配置され、空気の流れを作ることで、ライド中のくもりを防いでいます。また、視力矯正レンズにも対応しています。
AG2R・ラ・モンディアルも使うプロ仕様 ― Bollé(ボレー)Aeromax Matte Black
サングラス クリア調光レンズ Aeromax Matte Black Modulator Clear Gray
プロ仕様の「5th Element Pro」のバリエーションモデルです。アイウェア上部にフレームを追加することにより、ホールド感がより向上されています。レンズは調光レンズを採用しているため、紫外線量により色がクリアからグレーに変化し、使用する時間を選びません。ノーズピースは形状と角度が調節可能で、アレルギーフリー素材を使用しています。
中でもB-MAX TECHNOLOGYを使用したサングラスは、サイクリング専用として開発されたレンズで、ゴーグル用球面レンズと同じ視野の広さ。前傾姿勢時には、特に広い視野を持つようにされています。
広い視野の調光レンズが手軽に ― GIANT(ジャイアント)APUS FRAMELESS

画像出典:GIANT
一眼式のフレームレスデザインのアイウェアは視野が広く、幅広い調光範囲を誇る新型NXT調光レンズを採用しています。このモデルで昼間から夜のライドまで対応できます。レンズはサングラスレンズ製造歴40年以上の実績があるEssilor® Sun Solution™社製。
女性用にはカラーデザインの異なる「リブ ヌーラ」というモデルがLivから提供されています。
ロードバイクのライディングフォームに最適 ― TIFOSI(ティフォージ)ALLIANT

画像出典:インターテック
高品質な素材を用いて、リーズナブルな価格のアメリカのサングラスメーカーのティフォージ。ベストセラーモデルのPODIUM XCは有名ですが、新しくハーフリムタイプのアイウェアが発売されました。
レンズの上部と下部に穴が開いたタイプで、フレームは軽量で耐久性のあるグリルアミドTR-90が採用されています。レンズは調光レンズのフォトテックモデルと、ポリカーボネイト性レンズのモデルがあり、ポリカーボネイト性のモデルには交換可能な3枚のレンズが付属しています。製造工程の欠陥には生涯補償も適用されます。
メガネ専門店のイタリア製スポーツサングラス ― rh+(アールエイチプラス)
rh+ RH842S19 GOTHA
イタリアでスポーツサングラス、メガネを専門に展開していたrh+(アールエイチプラス)。独自の機能性とデザインの美しさを追求しています。
写真のGotha(ゴタ)は、世界的なロードバイクチームで正式採用されていた実績性のあるスポーツモデル。広範囲の視覚を確保し、レンズ上部のベンチレーションは、レンズ内の曇りを軽減します。
KASK発のイタリアン・アイウェアブランド ― KOO(クー) オープンキューブ
KASK(カスク) OPEN CUBE WHT/BLK M ASIAN WHT/BLK M
KOOのアイウェアは、KASKのヘルメットとのデザイン性を重視し、UCIプロコンチネンタルチームのDrapac Professional Cyclingや、イタリアのU23エリートチーム“Team Colpack”で共同開発されています。
2018年の最新のOpen Cubeは、ハーフフレーム構造で、レンズが曇らないように設計され、レンズカーブを緩く設計したアジアンフィット(SとMの2サイズ有)仕様が新たに追加されました。レンズは強い紫外線から目を完璧に守るZeiss社製のレンズを採用し、標準レンズとクリアレンズが付属しています。
ヘルメットとおそろいでも ― OGKカブト”101″
OGK KABUTO(オージーケーカブト) 101 ホワイト/撥水スペクトルモーブミラー サイズ:M/L
日本のヘルメットメーカーとして有名なOGKカブトから発売された新しいアイウェアです。新開発されたレンズは一眼性で優れた視界を確保し、両面が撥水加工されているため、汗や雨をはじきます。
レンズは2種類付属していて、自然な色合いを保ちながらコントラストを高めて視認性をアップさせた「撥水スペクトルモーブミラー」と、クリアレンズ並みに汎用性の高い「撥水ライトピンク」があり、用途によって使い分けることができます。
サングラスを選ぶにあたって
眼を守るために必要不可欠なサングラス。各社から何種類も発売されており選ぶのに迷ってしまいますが、根気よく自分に最も合う物を探しだしましょう。
妥協してしまってはあなたを守るどころか、逆に危険へ誘なうものになってしまいかねません。完璧にフィットする一本が見つかる事を祈っております。
2nd edition by Neko Chigura
監修:サイクルアシスト オオバ 大場忠徳
おすすめサングラス12選!ロードバイクにアイウェアが必要な理由とは is a post from: FRAME : フレイム
Source: FRAME : フレイム