
ある日突然、レースやロングライドに行かなければいけなくなってしまい、体力をつけたいけれど時間がない時って困りますよね。
普段仕事が忙しかったり、付き合いで飲みにいくことが多くて帰宅時間がが遅くなりがちだと、ジムでみっちりトレーニングしたり、家の近くを走る時間のない方もいらっしゃると思います。
そんな時に「短時間でどこでもできるトレーニングがあったら……」と思うことはありませんか?
そこで、この記事ではそんな忙しい方に超オススメの、短時間で体力をつけることができるトレーニング「タバタトレーニング」をご紹介します。
タバタトレーニングとは
「タバタトレーニング」は立命館大学の田畑泉教授が発表したトレーニング法です。
このトレーニングは元々1980年から90年代にかけて、日本のスピードスケートナショナルチームの選手強化のために採用されてていたトレーニングでしたが、田畑教授がこのトレーニングを科学的に解明して、論文として発表しました。
そのシンプルさと絶大な効果により、アメリカの筋トレ好きから注目を集め「Men’s Fitness」などの大手フィットネス雑誌が「タバタトレーニング」を紹介。それがキッカケで一気に世界に広まり、今では欧米やロシア、ブラジルなどを中心に絶大な人気を誇るトレーニングです。
その人気は衰えるところを知らず、イギリスでは「タバタトレーニング」がDVD化され、150箇所以上のジムがスタジオレッスンに取り入れたり、Appstoreでは「TABATA」で検索すると300件以上ヒットするまでになっています。
1日たった4分で、体力をつけることができる魔法のトレーニング
そんな世界で絶大な人気がある「タバタトレーニング」ですが、その具体的なやり方を紹介していきます。
「タバタトレーニング」のやり方はとてもシンプルで、20秒間の運動と10秒間の休憩を8回繰り返すだけ。
この合計たった4分間のトレーニングで、持久力とスプリント力を鍛えることができます。
どんなに忙しい人でも1日たった4分で良いのであれば、トレーニングの時間を確保できそうですよね。
しかも、タバタトレーニングの中で行う運動は、筋トレやダッシュなどどんなものでも良 いので、場所も限定されず気楽に実行しやすいのも忙しい人には嬉しいポイントです。
なので、毎日仕事で忙しくてトレーニング時間が取れない方は、是非ともこの「タバタトレーニング」を取り入れてみてください。
タバタトレーニングのメカニズム
たった4分で、場所を選ばずにできるタバタトレーニングは忙しい人にオススメのトレーニング方法であり、その4分間だけで充分な体力をつけることができます。
ですが、「たった4分でどうして体力がつくの?」と思われている方がいらっしゃると思います。
なので、ここでは「タバタトレーニングの効果のメカニズム」についてご紹介します。
まず、1セット目ではスプリント体力を使っていることを表す酸素借の割合が圧倒的に多く、スプリント体力は最大に鍛えられていますが、持久力はあまり鍛えられていません。
ですが、セット数を重ねるごとにスタミナに必要な酸素摂取量の割合が増えていき、最終的に、その人が最大で摂取できる酸素量(最大酸素摂取量)にまで増えていきます。
なので、タバタトレーニングはスプリントと持久力の両方を最大限に鍛えることができるので、たった4分でレースやロングライドに充分な体力をつけることができます。
タバタトレーニングは全力でやらないと効果がないの?
たった4分でスプリント力と持久力の両方を鍛えることのできるタバタトレーニングですが、この記事で紹介している動画では、トレーニングしている人は息が切れて、疲労困憊になっているのがわかります。
タバタトレーニングは元々アスリート向けに作られているトレーニングなので、体力を最大限に鍛えるように疲労困憊の状態まで追い込むことが前提のトレーニングなんです。
ですが、日常生活で疲労困憊になるまでトレーニングなんてしたら、しんどいし、仕事にも影響が出てしまう可能性もあるので、「えっ疲労困憊になるの嫌なんだけど……」と思われている方が大半だと思います。
ですが、タバタトレーニングは疲労困憊にならずとも充分な効果が出ることが研究で明らかになっています!
日本体育学会での発表によると、男性8名がタバタトレーニングを行なった結果、まだ疲労困憊の状態ではない6セット目と7セット目の酸素摂取量は疲労困憊の状態よりもあまり差は見られず、疲労困憊でなとてもトレーニング効果がある可能性が示されました。
また、この結果をもとに疲労困憊にならない強度でタバタトレーニングを実施した結果、スタミナを測る指標としてよく使われる最大酸素摂取量の数値が増加しており、このことからタバタトレーニングは疲労困憊にまで追い込まなくても効果があることが証明されました。
なので、「疲労困憊になるまでトレーニングするのはイヤだ!」という方でも安心してタバタトレーニングを行うことができるので、是非ともやってみてください。
サイクリストがタバタプロトコルをするには
ここまで効率的に体力をつけることのできるタバタトレーニングをご紹介してきました。
タバタトレーニングはたった4分でスプリント力とスタミナを鍛えることができ、疲労困憊になるまで追い込まなくても十分に効果のあるトレーニングです。
「それなら早速やってみよう!」と思っている方がいらっしゃると思いますが、おそらく気になっているのは「サイクリストはどこでタバタトレーニングをするのがベスト?」ということだと思います。
タバタトレーニングは基本的にどこでもできるトレーニングではありますが、せっかくならサイクリストにとって一番良いところでやりたいですよね!
なので、ここではサイクリストがタバタトレーニングを行うのにオススメな場所をピックアップして、それぞれ解説していきたいと思います。
設備が充実したジムでのタバタトレーニング
スポーツジムはサイクリストだけでなく、タバタトレーニングをやりたいと思っている全ての人にオススメできる場所です。
やはり、スポーツジムは筋トレマシーンや自転車エルゴメーター、ベンチプレスなどトレーニングのための設備が豊富なので、トレーニングには最適な場所だと言えます。
ただし、施設の利用にお金がかかるという金銭面での、本当に忙しいとジムの営業時間内に行けない場合があるという時間面での、生活圏内にジムがない場合はそもそも行けないという立地面でのデメリットはあります。
なので、スポーツジムは忙しいと言いつつも比較的に時間とお金に余裕があり、ご自宅の近くにスポーツジムがある方にオススメです。
自宅での簡単な筋トレを用いたタバタトレーニング
ここまで何度もお伝えしていますが、タバタトレーニングは基本的にどんな場所でも実施できるので、ご自宅でタバタトレーニングを行うのもオススメです。
その場合は、スクワットや腕立てなどの簡単にできる筋トレでタバタトレーニングを行うことになることが多いと思います。その中でも特にスクワットは手軽にできて、サイクリングに必要な脚の筋肉をバランス良く鍛えることができるので、オススメです。
また、自宅での筋トレによるタバタトレーニングは、一切お金がかからないという金銭面と、忙しくてもトレーニングする時間を確保できる時間面での2つのメリットがあります。
このことから、自宅での簡単な筋トレによるタバタトレーニングは、時間やお金に余裕がない方に是非ともオススメしたい方法です。
ただし、この方法の場合、自転車を使用しないため、レースやロングライドを想定したトレーニングをすることは厳しいという側面もあります。
ローラー台を使ったタバタトレーニング
いろんな場所でいろんな方法でできるタバタトレーニングですが、ローラー台があれば、自宅にいながら本格的な自転車トレーニングが可能です。
自宅なので時間を選ばずにできますし、自転車を使ってでガッツリトレーニングできます。
また、自転車で必要な体力をつけるためには自転車を使ってトレーニングするのが効果的なので、よりレースやロングライドに必要な体力をつけることができるようになりますね!
さらに、スマートローラーを用いてZwiftを活用することよって、タバタトレーニングをより楽しく、飽きずに続けることができるでしょう!
スマートローラーとZwiftを揃えるとなるとお金がかかってしまうのが欠点ではありますが、サイクリストにとって理想的ななタバタトレーニングの方法だと思うので、お金に余裕のある方には是非ともおすすめしたいです。
まとめ
今回はたった4分でレースやロングライドのための体力をつけることができるタバタトレーニングをご紹介しました。
タバタトレーニングは短時間でできるだけではなく、場所を選ばすに行うことのできるトレーニングなので、是非とも今回ご紹介した中でご自身にベストなやり方で選んでやっていただきたいなと思っています。
毎日忙しくて時間のない方でも、タバタトレーニングでロングライドやレースも心配いらない体力をつけていきましょう!
(参考文献)
- 立命館学園 タバタトレーニング特集
- 海外で脚光を浴びた「タバタ式トレーニング」の生みの親、田畑泉博士が語る「解説書を出した理由」
- 田畑 泉, 徐 宇中, 街 勝憲(2013) 「疲労困憲に至らない高強度・間欠的クロス運動トレーニング(HIICT)の開発(04 運動生理学,一般研究発表抄録)
日本体育学会号 04生-29-口-12 - 田畑 泉, 徐 宇中, 街 勝憲(2013) 「週2回の高強度・間欠的クロス運動トレーニング(HIICT)が最大酸素摂取量に及ぼす影響(04 運動生理学,一般研究発表抄録)」 日本体育学会号 04生-29-口-13
時間がないけど、体力をつけたい!忙しいアナタにオススメの4分でできるトレーニングとは? is a post from: FRAME : フレイム
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